旅館業・民泊

民泊を始めるときにぶつかる3つの壁

どうも!
沖縄の行政書士、酒井です。

民泊熱は一向に収まる気配がないです。
ですが、旅館業(簡易宿所)許可はなかなかに厳しい要件があって、簡単に営業スタートとはいかないものです。

当事務所も、お問い合わせやご相談はたくさん頂くのですが、要件を説明すると、ご相談者はムムムっ!となってしまいます。

テレビなどの報道等で民泊についてよく取り上げられていますが、見ていると簡単にできそうで、しかも儲かる!という印象を受けます。ですが、そんなに甘くはないんですね・・・無許可営業で摘発された報道もちらほら見ます・・・

旅館業法はすこし緩和されてきましたが、それ以前の都市計画法、建築基準法、消防法はそんなに緩んでないんです。タイトルの3つの壁とはまさにこの3つの法律です。消防法なんて昨年か一昨年くらいに緩むどころか厳しくなっています。

1つ目は、用途地域(都市計画法)。「第○種○○住居専用地域」というような、住居専用という文字が入っている用途地域では旅館業は営業できません。宿所にしようとする物件がどの用途地域にあるのかは、市役所の都市計画課等で確認できます。(その他、工業地域なども営業不可です。)

2つ目は、建物の検査済証を旅館業許可申請に添付(建築基準法)。建物を建てる場合、まずは、建築確認申請を行います。建築しようとする建物の設計図面を添付して法令に適合しているか(違反していないか)確認する手続です。この建築確認の後に建物を建てるわけですが、出来上がったら検査を受けます。検査済証があるということは、法令に違反なくその建物は出来上がったということになります。(建築確認とぜんぜん違う建物が完成していたら、検査済証はでません。)
旅館業許可の審査は保健所が行うわけですが、保健所は建築の専門部署ではありませんので、この検査済証が添付されていれば自動的に建物が建築関係の法令上はOKと判断するということです。
検査済証はある!よかったぁ~と安心するのはまだ早いです。
建築確認には、建物の用途が記載されています。もちろん戸建の住宅は用途が一戸建ての住宅となっていますし、アパートなら用途が共同住宅になっています。もちろん用途の中にはホテル又は旅館というものもあります。
ホテル、旅館として使用する目的で建築された建物は当然、建築確認に記載される用途はホテル又は旅館になっているでしょうが、いま多く人が民泊として旅館業の許可を受けたい物件は、一戸建ての住宅や共同住宅が多いです。一戸建ての住宅の用途で受けた検査済証を添付すればいいのか?という疑問が湧いてくると思います。
ホテル又は旅館以外の用途であっても、旅館業の用途に供する床面積が100㎡を超えない場合は、そのまま用途を変えないで検査済証を添付すればいいことになっています。ただし、用途変更が必要でなくても、旅館業に使用する建物に求められる基準を満たす必要はあります。
では、床面積が100㎡を超えていたらどうなるか?
用途変更の建築確認申請を行い検査を受ける必要があります。この用途変更の建築確認は、建築士に依頼する必要があります。この費用はケースバイケースですが結構かかるようです。

余談ですが、建築確認に記載されている用途と、登記事項の建物の種類は別です。用途とは登記事項の建物の種類ではないのでご注意ください。

3つめ、消防法です。これもかなりの厚い壁です。
旅館業許可には消防法令適合通知書を添付しなければなりません。これも検査済証と同じで、保健所はこの適合通知書が添付されていれば消防法令上の問題はないと判断します。
一戸建ての住宅に求められている消防法令の要件と、ホテル又は旅館に求められている要件は、当然のことながらホテル又は旅館のほうが厳しいです。なので、もともとが住宅である建物を旅館業の用に供するには、消防設備を備える工事が必要です。これも安くはありません。当事務所にご相談に来たお客様が業者から見積もりを取ったこと何度かありますが、普通の一戸建てに消防設備を設置する工事の見積もりが、100万円に迫るものだったりします。条件にもよるのでしょうが、設備の工事費用は高い場合が多いです。

100㎡を超える住宅を宿泊施設に転用するには、例外はありますが100万円単位でお金がかかると思ってください。テレビで「あなたもすぐに始められます!」みたいなことを言っているのは、いかがなものか?と私は思っています。

ですが、高くないといえばそうとも思います。
そもそも、ホテルや旅館を一から建てて営業すること考えれば、100万円や200万円ではすまない話ですからね。

民泊をこれから始めようとお考えの方は、結構な金額を投資して営業を始め、はたして本当に利益が出るのかどうか、しっかり事業計画をたててから着手することをお勧めします。

今回はつまんない話でしたが、次回は民泊に関するあたらしい動きについて書きます。

ではまた。

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