会社・法人設立

会社設立の話④「定款の相対的・任意的記載事項」

こんにちは。沖縄の行政書士、酒井です。

俳優の松方弘樹さんが亡くなりましたね。私は高校生くらいの頃、「元気が出るテレビ」をよく見ていたので、訃報を聞いて驚きました。あの方は、芸能人をやっているお子さん2人以外にも子供がいるそうですが、息子さんは他の兄弟に会った事がない人もいるそうです。相続関係が複雑そうですが、果たして松方さんは遺言書を残しているのでしょうか?

話は変わりますが、前回のつづきです。
前回までは絶対的記載事項について書いてきましたが、それ以外の「相対的記載事項」「任意的記載事項」について書きます。

相対的記載事項というのは、定款に記載がなくても直ちに定款が無効とはなりませんが、記載がない以上その事項につき効力が認められないものをいいます。会社法に「定款により別段の定めをすることができる」旨の定めがある事項が相対的記載事項です。また、任意的記載事項というのは、絶対的記載事項及び相対的記載事項以外の事項で、会社法その他の強行法規の規定等に違反しないものをいいます。
会社法の原則とは別段の定めをしようと考えたら、相対的記載事項とか任意的記載事項を欠くわけにはいきません。
「無効にはならないんでしょ?ならいいじゃん!」と思うかもしれませんが、多くの会社で定めのを置いている定番の相対的記載事項があり、小規模な会社であればこれらを置かない手はない!というようなものもあります。

以下がその「相対的記載事項」と「任意的記載事項」の例です。

  1. 変態設立事項
  2. 株式の譲渡制限に関する定め
  3. 株券発行の定め
  4. 基準日
  5. 株主総会,取締役会及び監査役会招集通知期間短縮
  6. 取締役会,会計参与,監査役,監査役会,会計監査人及び委員会の設置
  7. 取締役等の任期の伸長
  8. 公告の方法
  9. 事業年度
  10. 株主総会の議長
  11. 議決権の代理行使
  12. 取締役、監査役の員数
  13. 代表取締役、役付取締役(会長、社長、副社長、専務取締役、常務取締役等)
  14. 取締役会の招集権者
    など

特に赤字のものは、相対的だ任意的だと言ってる場合ではなく、当事務所で設立する場合は100%置いている事項です。青い文字のものは場合によって記載している事項です。これらについて記述していきます。

①の変態設立事項は、現物出資をする場合に記載するものです。現物出資とはお金ではない財産を出資することを言います。他にも変態設立事項はありますが、現物出資以外はほとんどないと思うので省略します。
現物出資をする場合は、それを定款に書いておかなければなりません。また、その現物出資の価額が500万円を超えるときは公証人の定款認証の後、遅滞なく当該現物出資を調査させるため、裁判所に検査役選任の申立てをしなければならないことになっています。めんどくさそうですよね・・・なぜそんなことをするか?
例えば、ガラクタを持ってきて「これは1000万円だ!」と勝手に評価して資本金の額を1000万円にした、なんてことがまかり通っては、スカスカの株式会社が出来上がってしまいます。登記を見ると、資本金の額1000万となっているのに、実態はスカスカ・・・これは困りますね。そういうことがないように、現物出資はちゃんと定款に記載して、一定額(500万円)を超える評価をした財産は、検査役の調査を受けるなどしなければならないということになっています。現物出資について詳しくはまた別の機会に書きたいと思いますが、個人事業で持っているパソコンや事務機器を数万円で評価して現物出資して設立する会社に移すというような場合なら検査役を選任したりする必要はないので、定款に変態設立事項として記載してください。

次は、②の株式の譲渡制限の定めです。これは定めておいた方がいいです。
この事項は、株式の譲渡に会社の承認を必要とするというもので株式譲渡の自由を制限する定めです。
株式の譲渡は原則自由なのですが、中小企業で株主は身内だけとか、よく知った仲間だけというような会社にとっては、株主の誰かが縁もゆかりもない人に株式を譲渡してしまって、その株式の譲受人がややこしい人だったりすると困ることもあります。そういう不測の株主の出現を防ぐのには、この株式の譲渡制限を設定しておけばいいです。(株式の譲渡禁止ではないので、譲受人に問題がなければ会社は承認すればいいです。)

また、この譲渡制限が付いている株式しか発行していない会社を、非公開会社といいますが、(譲渡制限をつけていない株式を発行している会社は公開会社といいます)中小企業であれば非公開会社にすることで、取締役は株主でなければならない旨を定款で定めることができたり、③の取締役・監査役の任期を定款により最長10年まで伸張できるなどのメリットがあります。

取締役・監査役の任期を10年に延ばせるのは、かなりのメリットです。もし任期を伸ばせないと2年ほどで任期が切れますので、たとえ同一人物が取締役を続けるにしても役員の変更手続をしなければなりません。役員変更は司法書士に依頼すれば経費がかかりますし、自社で手続するとしても登録免許税(1万円~)は絶対にかかります。放置していると、登記懈怠で過料を払わされたりします。それが10年任期が伸びればその間手続は必要ないのですから定めておかない手はありません。
譲渡制限と役員の任期の伸張は定款に記載しておきましょう。

疲れたので、次回につづく

では、また

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